今週のお題「元気を出す方法」
思い返せば、物心ついたときから「元気な日」は滅多になかったように思う。
幼稚園生の頃からずっと「行きたくない」が口癖で親を困らせた。
小中高と、完全に不登校になることはなかったものの月に1日は理由もなく学校を休んだ。
高校生のとき、登校途中(自宅から学校までは自転車で片道50分かかる)に急に「今日はやっぱり無理!」となって帰宅したこともあった(母は呆れていた)。
大学生になってからは、不思議と「行きたくない」という気持ちになることが減って、
授業の出席率はかなり良かった方だと思うし、アルバイトだって週6日していた。
社会人になって8年たつけど、体調不良も含め急遽休みをもらったのは1日だけ、
胃腸風邪でトイレから離れられなくなったとき。
毎日決められた場所にちゃんと行くのはできるようになったけど、それでもやっぱり「なんだか疲れている」のがデフォルトの状態で、「元気」なわけではない。
むしろ、「休む」という回復方法が無くなって、日々の「なんだか疲れている」状態がグレードアップした感じ。
というわけで、こんなわたしが「元気を出す方法」があるなら是非ご教示いただきたいよ、と言いたいところだが、
「滞りなく日常生活を送れる状態」に心を持っていく、人生をマシにしてくれるとっておきを、しんどいときに自分が見返す用の備忘録として、いくつかメモしておく。
<読書>
疲れているときに新しい本に取り掛かるのは心意気がいる。お気に入りを擦り切れるまで読みたい。
いつも手元に置いているのはこの2冊。
別れた恋人の新しい恋人が、突然乗り込んできて、同居をはじめた。梨果にとって、いとおしいのは健吾なのに、彼は新しい恋人に会いにやってくる。新世代のスピリッツと空気感溢れる、リリカル・ストーリー。
Amazon.co.jp: 落下する夕方 (角川文庫 え 4-1) : 香織, 江國: 本
・キッチン/よしもとばなな
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う――。同居していた祖母を亡くし途方に暮れていた桜井みかげは、田辺家の台所を見て居候を決めた。友人の雄一、その母親のえり子さん(元は父親)との奇妙な生活が始まった。絶望の底で感じる人のあたたかさ、過ぎ去る時が与える癒し、生きることの輝きを描いた鮮烈なデビュー作にして、世界各国で読み継がれるベストセラー。「海燕」新人文学賞・泉鏡花文学賞受賞作。
キッチン (角川文庫 よ 11-8) | 吉本 ばなな |本 | 通販 | Amazon
どちらも主人公が人生の困難(失恋・死別)をゆるやかに乗り越えていく物語。
透明感ある日常生活の描写、周りの身勝手さで生じる主人公の変化が、
自分で無理やり人生を操縦しようと思わなくたっていいのかもしれないと思わせてくれる。
『落下する夕方』に出てくる華子はわたしの永遠のお気に入りで、会う男全員の人生を狂わせるファムファタル感が何とも言えない。
ほんの少ししかない荷物とか、纏足みたいに小さい足とか、驚くほど細いウエストとか、感情を揺らさない笑い方とか。
ただし、華子になりたい、と思ってしまうときは心がすごくすごく疲れているときなので、そういう日は読書はお休みして早く寝るに限る。
<映画>
こちらも、セリフを暗唱できそうになるぐらい繰り返し観たものがいい。
・アメリ(2001)
幸せになる子供の頃から空想好きなアメリ・プーランそのまま大人になった彼女の好きなことは河での水切りやクレームブリュレの焦げを割ることそしてまわりの誰かを今より少しだけ幸せにすることそんな少し風変わりで、自分の事には不器用なアメリがある青年に恋をして…
Amazon.co.jp: アメリ(字幕版)を観る | Prime Video
・アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018)
自分の容姿にコンプレックスがあり、仕事も恋も積極的になれないレネー(エイミー・シューマー)。ある日、自分を変えようと通いはじめたジムでハプニングに見舞われ、頭を打って気を失ってしまう。そして目覚めると、絶世の美女に変身していたのだ(とただの勘違い)!見た目はそのまま、超絶ポジティブな性格に生まれ変わったことでレネーは自信に満ち溢れ、仕事も恋愛もすべてが絶好調になるが…!?
Amazon.co.jp: アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング (字幕版)を観る | Prime Video
アメリは本当に数えきれないくらい見た。なんなら独身時代は毎晩観ていた。
英語学校で好きな映画について話すことがあって、わたしが「アメリ」と言ったら、
隣の席にいたフランス人の女の子が「わたしも」と同調してくれた。
彼女曰く、「アメリはファッションや家具がとにかくきれいで、目から摂る栄養」とのこと。確かに。
最後のパリを自転車で疾走するカットは心が温まる。
I feel prettyは、自分を周りと比べてしまって苦しいときに観る。
中盤レネーが調子こいて友達を傷つけてしまうところは心が痛いけれど、
最後にレネーがしたスピーチは、何回観ても泣いてしまう。
<お風呂>
明るいうちから入るお風呂は最高。
土日は特に、おやつの時間からお風呂に入り始めてしまうことが多かった。
普段は水道水を飲んでいるけど、ちょっといいお水を調達して、
しっかり汗をかくための入浴剤も使って、お気に入りの本や映画を持ち込んで、
「ここぞというとき用」でとっておいたスキンケアサンプルも惜しみなく全投入。
ゆっくり湯船につかった後は、いつもより丁寧に髪を洗って、スクラブだって使う。
スキンケアも、ボディケアも怠らず、全部済ませてお風呂を出てもまだ時間は17時で、手つかずの夜を思う存分堪能できる。
日本にいたときは平気で2~3時間かけていたお風呂タイム、ロンドンではバスタブがないのでお預け状態だけど、日本に帰ったら真っ先にやりたいことの一つ。
以上、「元気!」とまでは言えなくても、心身をとりあえず及第点にするためのリストでした。